オーストリア写真紀行

ザルツブルグ行(前編)

オーストリア旅行でウィーンの次に人気がある都市はザルツブルグではないだろうか?

個人旅行であればウィーン滞在中に日帰りでザルツブルグへ足を伸ばす事をお勧めする。ÖBBのRJ(railjet  レイルジェット: 2008年に導入されたÖBB ÖBBÖBB ÖBBÖBB ÖBBの誇る高速長距離特急)を利用すればウィーン西駅からザルツブルグ駅まで2時間半足らずである。朝6時半にウィーンを出て9時前にはザルツブルグに着くことができる。終日観光をしても夜のオペラ開演までにウィーンに戻ってくることさえ可能だ。 

レイルジェット(撮影はミュンヘン駅)

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ヨーロッパで鉄道旅行をする際、不安な人は事前にコムツアーズさんに相談して日本でチケットを用意しておくことをお勧めする。単一区間のチケットだけでもよいが他の区間の旅行予定もあればユーレイルパスの利用も検討したい。ただしザルツブルグ行きに関しては同じ路線をWESTbahnという私鉄も走っていて、こちらにはパスは利用できない。

それではザルツブルグ日帰りの旅をシミュレーションしてみよう。ウィーン西駅を出発するのは6時半くらいがいいだろう。冬はちょっとつらいが夏ならそれほど早起きという感じではない。予め指定席のチケットを用意してあれば出発時刻までに行けば良い。自由席のチケットなら少し早めに駅に行きたい。ウィーン西駅は始発駅になるので少し早めに着けばたいてい席は空いている。ヨーロッパの鉄道車両は日本のように指定席車両と自由席車両が分かれていないことが多い。その座席の上に指定かそうでないかが表示されているので、それを参考にする。

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写真はEC(Euro City 国際都市間特急)のボックス席(6人掛け)入口の座席票である。ここに[Wien-Salzburg]と書いた紙が入っていればその席はその区間では指定席である。もちろんそれ以外の区間は自由席として利用して構わない。

RJは導入されて間もなく車内もきれいで快適である。ヨーロッパの鉄道車両の座席は日本の特急のように必ず進行方向の一方向向きとは限らない。1両の中で席は両方向を向いて設計されていて固定席である。もし後ろ向きの席が嫌なら進行方向向きの指定でない席を探して替わればよいことである。

レイルジェット ビジネスクラス(1等車)の車内

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朝早くの出発では朝食を車内で食べるのもよいだろう。ウィーン西駅構内には朝早くから空いているパン屋さんもあり、そこで食べ物や飲み物を買って車内に持ち込みのんびりと食べたい。RJの中にもビストロカー(食堂車)が連結されている。ファーストクラス、ビジネスクラスには注文をとりにきてくれるがエコノミー(2等車)乗客は自分で買いに行く必要がある。ECではあれば本格的な食堂車が連結されいるのでそこでゆっくり食べることもできるのだが、RJのビストロカーはカウンターと簡単な席があるのみである。

ザルツブルグ駅に着いたらすぐに駅構内にある観光案内所(i)に行こう。ザルツブルグ駅もずっと工事中だが現在は近代的な駅舎がきれいにほぼ完成している。(i)でザルツブルグカードの24時間用を購入しておくと市内のバスが乗り放題でほとんどの観光スポットも無料で入場できる。購入は現金の他クレジットカードも利用できる。係の人もきれいな英語で丁寧に応対してくれる。カードといっしょにくれる地図は分かり易く便利なので必ずもらうようにしたい。

カードを購入したら駅前のバス乗り場からバスに乗ろう。同じ路線番号でも旧市街へ向かうバスと旧市街から来たバスと両方あるので注意が必要。まずミラベル庭園に向かうのがよいが、観光案内書などに書いてあるバス停「ミラベル広場(Mirabellplatz)で降りるより一つ手前の「コングレス(Congress)」で降りた方が庭園の端から見られるので便利である。

ミラベル庭園からホーエンザルツブルグ城を望む

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この庭園は「サウンドオブミュージック」などにも登場したきれいな庭園だが、それ以上に遠くに望むホーエンザルツブルグ城を見るとザルツブルグに来たのだと実感できるだろう。庭園をみながらお城の方向に歩いて行きたい。庭園を抜けたところがマカルト広場でバスが頻繁に通り抜けていく。右に曲がってそのまま行くとザルツァッハ(Salzach)川畔に出る。

ザルツァッハ 川とホーエンザルツブルグ城

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川畔にでたら人専用のマカルト小橋(Makart-steg)を渡って対岸に行こう。バス通りを横断して建物の間の狭い路地を抜けるとそこがゲトライデガッッセ(Getreidegasse)である。日本語に訳すと「穀物通り」とでも言うのだろうか。狭い通りの両側に多くの商店が並んでいて軒先に掲げてある看板が有名である。

ゲトライデガッセを左にしばらく行くとモーツルトの生家が見えてくる。

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生家の前がちょっとした広場になっていて団体客がガイドさんの説明を聞いている。もちろんここもザルツブルグカードの提示で無料で入場できる。見学の最後におきまりのお土産ショップが現れるが、モーツァルト関連のグッズがたくさんあるのでモーツァルトファンには見逃せないだろう。ただ、ここで長居をすると団体客が先にケーブルカー乗り場に殺到して長時間待たされることになるのでさっさとケーブルカー乗り場に移動することが肝心である。

ザルツブルグ行(後編)に続く

<文・写真: 古川 隆> 

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