オーストリア写真紀行

ウィーンの舞踏会 その2 「ボンボンバル」

お菓子屋組合舞踏会  BonbonBall

国立歌劇場舞踏会とは打って変わって、若者もたくさん参加してかなりカジュアルな雰囲気のあるボンボンバルの紹介です。

 

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コンツェルトハウスで開催されるボンボンバル
 OpernBallが国立歌劇場で開催される格調高い舞踏会なら、BonbonBallはコンツェルトハウスで開催され、多くの若者も参加するかなりカジュアルな舞踏会です。カジュアルとはいえ、舞踏会には違いありませんから正装が求められ、格式に則って進行されます。
 
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製菓業者の組合が主催
 ボンボンバルの名前の由来ですが、Bonbonはお菓子(キャンデー)のことを意味して、ウィーン市内のお菓子製造業者の組合が主催する舞踏会のため、この名前がつきました。特徴は入り口で男女別に手提げ袋が配られ、フロアーいっぱいに展示してあるお菓子が無料で配られます。舞踏会の帰りには袋いっぱいのお菓子を持って帰ることになります。
 
 
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いつものコンサート会場がダンスの場に
 ボンボンバルの会場のコンツェルトハウスはいつもはコンサートホールです。国立歌劇場と同じように舞踏会のときは床がダンスフロアーとなり、参加者はそこで踊ることになります。国立歌劇場舞踏会ではダンスフロアーにテーブル席はありませんが、ボンボンバルではもともとパルテッレ・ロージェの席が飲食もできる席として提供されるので、文字通り飲んで踊ってということになります。
 
 
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ダンスの伴奏をする楽団
 ウィーンの舞踏会でダンスの伴奏は生バンドが普通です。小編成のオーケストラとビッグバンドの二組が交代で交互に演奏をします。ボンボンバルで演奏していたオーケストラは、バイオリンは指揮者の弾き振り、他に弦が3人、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットの計8名編成でしたが、ともて伴奏慣れしていて、踊る人の様子をみながらリピートを入れたり、終わるやいなやすぐに繰り返して演奏をしたりとさすが、ウィーンの楽団は違うなと感心しました。
 
 
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天井から風船が・・・
ボンボンバルの特徴は踊っていると突然天井から風船が降ってくることです。実はこの風船の中にはいろいろな景品が入っていて、風船が降りてくると踊っている人たちは、我先にと風船を取りに行き、割って中身を取り出します。そこまではいいのですが、フロアーには割れた風船や入っていた景品の箱などが散乱して、踊りながらそういうゴミをフロアー外に蹴飛ばさなければならないというあまり日本では経験できない踊り方をすることになります。
 
 
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ミスボンボンコンテスト

 この舞踏会の呼び物は「ミスボンボンコンテスト」です。応募者の中から審査委員が会場の人たちの見守る中、選考を重ねていきます。もちろんこの審査員は製菓業者の組合の偉い方々で、コンテストの間中、正面の大型スクリーンには加盟する会社のお菓子のCMが流れるという仕組みになっています。

 

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カジュアルな雰囲気とは言え、やはり舞踏会

 ボンボンバルは入場料も手頃で、アトラクションも楽しめ、若者たちもたくさん参加して楽しめる舞踏会です。例年国立歌劇場舞踏会の翌日に開催されるようで、連夜で舞踏会に参加する人も多いようです。男性の服装でみると国立歌劇場舞踏会は燕尾服着用が必須条件ですが、ボンボンバルはそれほど厳しくないので、タキシード姿の方が多かったです。

ウィーンで舞踏会に参加しようと思っている方は、男性は燕尾服とタキシードを正式に着こなす必要があります。このあたりは日本のダンスパーティとはかなり違いますので注意が必要かもしれません。マナーを守って楽しい舞踏会を経験してください。

 

<文・写真: 古川 隆>

 

 

 

 

 

 

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